麺をすすれるようになるには?麺をすすれない人達
麺がすすれない人
僕は大のラーメン好きだ、朝昼晩ラーメンでも構わないほどラーメンが好きだ。なんなら三度の飯よりラーメンと言うくらいには好きだ。
年間50軒くらい行くこともあり、度々友人を誘いラーメン屋さんに食べに行く。
そんな色んな人をラーメン屋さんに連れて行く中で稀に奇妙な出来事に遭遇する。
麺がすすれないだと…?!
物心ついた時からラーメンを食べている僕からすれば信じられない光景だ。でも実際にいる、麺をすすることができない人が。体感だが女の子に多い。
正直最初は
「麺すするのが恥ずかしいだけでは?…かわいこぶってんのかコイツ?」
なんて思っていた。
だがかわいこぶってラーメンを食べているというより、どう考えても一生懸命麺をすすろうとしている様に見える。
(実際人前で麺をすするのが恥ずかしいって人もたまにいます。)
やっぱりこの人達は本当に麺をすすることが出来ないらしい。大人になるまでに麺のすすり方を習得できなかったのであろう。
では麺をすすれる人と麺をすすれない人の違いは何なのだろうか。
すすれる人とすすれない人
僕の考えは割と世間一般の麺のすする原理とは少し外れているかもしれない。あくまで一人のラーメン好きの意見として参考にして欲しい。
まず麺がすすれない人は麺を吸おうとすることに必死になっている。
確かに麺を吸い込む力はある程度は必要だ。だが麺をすすることの本質は麺を吸うことではないように思える。
このことについて僕は生物学を専攻する者なので少し変わった視点から掘り下げていく。
植物はどうやって水を吸っているか
いきなり何言ってんだコイツは…
ホントその通りです、何してるんだろう。
しかし皆さんは考えたことあるだろうか?植物が水を吸うことが出来る理由を。
そしてこれを考えることによって麺をすするメカニズムが分かるのではないだろうか。
まず植物が水を吸える要因は大きく分けて2つ
一つは根圧の形成だ。根圧とは根っこの細胞が溶質濃度を高めることにより水の流入を引き起こす力だ。(溶液では濃い方を薄める方向に水の移動が起こります、これを浸透と言うんでしたね)
根っこの細胞は濃い溶液、それに対して根っこの外は薄い溶液(ほぼ水)なので水が入り込んでくる。
根圧の話は今回どうでもいいので理解出来なく
てOK、もっと知りたい人だけググって下さい。
もう一つは水の凝集力と蒸散だ。
水の凝集力も詳しくは説明しないけど、水は取り敢えず水同士集まって引っ付きやすいという印象さえ持っておけば大丈夫。(これもある程度無視して)
さて本題の蒸散、蒸散は葉っぱの気孔と呼ばれる穴から水を気体として空気中に放出する現象だ。
葉の水分の少なくなると水は多い方から少ない方へ移動するので上部へと引っ張られる。
植物はこの蒸散によって植物体の水分を減らすことで根から水分を吸うことが出来る。
つまり単に吸い続けるだけではダメで、どこからか吐き出さなければ吸うことは出来ないのだ。
もう一つ掃除機を例に挙げて見よう。掃除機はゴミを吸い込んでいると同時に吸った空気を後ろから排気している。しっかりと空気を出すことによって吸う力を維持し続けているのだ。
ではラーメンのすすり方に話を戻そう。
先程も言った様に麺がすすれない人はただ吸うことに必死になっている。
そう、すする時に吸った空気を出すことを意識していない。
これだけでは少し語弊を生むので麺を吸うプロセスについて解説していく。
1. まず鼻の空気を出し切る、この時は鼻呼吸モードで。
2. 麺をすする、この時は口呼吸モード。ポイントはこの時鼻呼吸しないこと。
3. 吸った空気を鼻から出す。この時は鼻呼吸モードで。
この様に麺を吸う時に一緒に吸った空気を鼻から吐き出すことを意識してみて欲しい。
よく「麺をすすれない人は鼻呼吸と口呼吸を使い分けられていない」というのを耳にする。
確かにこれはかなり的を射ていて、実際この二つの呼吸の切り替えは重要だ。
だが今回僕が焦点を当てたことはその鼻呼吸と口呼吸のそれぞれの役割は何なのかということでそれについて詳しく見てきた。
まとめると鼻呼吸には「空気を出す」、口呼吸には「麺を吸う」というれっきとした役割がある。
そして多くの人は吸うことばかりを意識して息を吐くことを意識していない。
最初はこの手順を意識しないと麺がすすれないかもしれないが、次第に何も考えなくても麺をすすれるようになるだろう。
自転車に初めて乗ったとき、最初からいきなり乗りこなせる人はいない。それと同じで麺をすするのにもきっと練習が必要なのだ。
ラーメン麺はすすって食べることによってより風味を楽しむことができるなんて話もあるくらいだ。麺を上手くすすれないという方は練習して是非とも美味しいラーメンを食べれるようになって欲しい。